まあ、年が変わって一週間ほど経ってしまいましたが、気持ちを新たにご挨拶っていうのは大事ですよね。明けましておめでとうございます。
僕はと言えば、去年の暮れからパスタにハマっていました。色々な種類の麺を買ってきて、茹でては食らい茹でては食らいという感じでほとんど毎日パスタを食べてましたよ。
やっぱり麺類ってのは調理が楽ですから、パスタを食べない時でもソーメンを食べたり蕎麦を食べたり。僕の場合は、そういうふうに生活がパターン化してしまうとしばらく同じメニューを続けてしまうことが良くあります。
とは言っても、流石に2週間近くも麺類ばかりっていうのは飽きてしまいます。たまにはご飯を食べたくなる物です。やっぱり、日本人ですからね。
そういうわけで、まあ一昨日の事なんですが、「今日はご飯を食べる。絶対ご飯以外にはありえない。納豆をかけて食べるぞ」って、あの娘への気持ちを抑えきれない男子高校生みたいな情熱を燃やしながら家に帰ったんです。
で、バタンと家のドアを開け、真っ直ぐにタイガーの炊飯ジャーに向かったんですが、なんとなく部屋に違和感を感じます。部屋中になにか甘い匂いが漂っているんですよ。
いやいや、僕じゃないですよ。確かに僕は甘いマスクで甘く囁く優男ですが、部屋の匂いの原因は僕じゃないんです。僕じゃないさ。
しかも何かその匂いは、これからご飯を炊くのに大活躍してくれるであろう炊飯ジャー(タイガー)から漂ってくるような……。
嫌な予感がしました。実は僕はけっこう炊飯ジャーの中でご飯を腐らせた前科があるんです。t例えば、ジャーのフタをあけると青カビがびっしり、大量のペニシリンが合成されてるってことがたびたびあるんです。
とは言っても、今まで甘い匂いがすることはありませんでした。青カビだとしたら粉っぽい匂いになるはず。まあ、経験者のみが知る匂いですけれどね。
嫌な予感がするものの、エーイ、ままよ!とジャーのフタを開けました。
ギャー!
部屋中に広がる甘い匂い。眼前に広がる腐海。僕の瞳孔も広がっていたはずです。
ええとですね。ご飯が多少黄色くなって変な味がする状態をフェーズ1だとしますよね。青カビが一面に生えるってのはフェーズ3くらいになるわけです。
そして、今僕が目にしているのはフェーズ5ですよ。
液状化した真っ黒な何かがカビに覆いつくされていました。しかも良く見ると、ウニョウニョと4ミリくらいの白いサムシングが蠢いているんですよ。それこそ何千匹も。ジャーの中もフタの周りも、ありとあらゆる部分で、蠢いているんです。ウジです。しかもアイツらはけっこう歩くのが早いですから、フタを開けた途端、あっという間に炊飯ジャーの外に歩き出して来たんです。
病原菌で例えるなら、発生地域に核爆弾を落としてすべてをまっさらにするしか無いレベルです。開けた瞬間にフタを再度しめ、ガタガタ震えてしまいました。今だから言いますけど、あまりのショックにちょっと泣いちゃいましたよ。
2回目にフタを開けるまで、15分位かかりました。心を落ち着けるのに、どうしてもそれくらいの時間をが必要でした。たぶん、マシーンみたいな冷血スナイパーでも、あのジャーのフタを開けるのには10分くらいかかると思いますよ。ちゃんとしたご家庭に育った方なら、開けないままジャーを捨ててしまうレベルですから。
再び開けた時も、よっぽど写真を取ってブログに掲載しようかと思ったんですけど、一種のテロになってしまうので止めました。間違いなく2chあたりにグロ画像として貼られまくるとおもいます。
で、結局僕はどうしたのか。
まあね、熱湯ですべてを洗い流しましたよ。それこそ、ゴムパッキンの隙間から細かいパーツの裏側まで、ありとあらゆるところにウジやらサナギやら、あまねく存在していましたので爪楊枝ではがしながらの作業でした。泣きながらの作業でしたよ。僕が小学生だったら、学級会で先生に名指しで褒められるくらい頑張って洗いました。僕が犯罪者だったら、痕跡を残さず事件を迷宮入りさせてしまうくらい頑張って洗いました。
そして、すべてのパーツを熱湯やらブリーチやらで消毒したあと、今は部屋の片隅で放置しています。
もう完全に綺麗になっているとは思うんですけど、なにか「穢れ」みたいな物が残っているような気がするんですよね。こういう感情は日本人的だなあって思うんですけど。
でも、昔、武田鉄矢が、「着用した下着をダンボールに入れて何日か押し入れにしまっておくと、洗わなくても気分的に新たな気持で着られるようになる」って言ってたんですよ。まあ、炊飯ジャーのインキュベートも「禊」の一種です。たぶん、何日かしたら美味しくご飯が食べられるはずです。
時がすべてを癒してくれます。